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月齢

女性向けブログ。ネタ語りや小説など。ルーク至上主義。

2025.04.21
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2008.09.20
WEB拍手ログその2

花をテーマにして三本上げてました。
上から、ルクアリ、ルクナタ、ルクノエ。
基本、どれもほのぼので、甘々です。
三本まとめてどうぞー。




白百合(ルクアリ)


「アリエッタ」

上向いた小さな顔に微笑んで、ルークはアリエッタの髪をそっと花で一輪飾った。
白百合の穢れのない白に、桃色の髪が映える。

「うん、よく似合う」

満足そうに笑み、ルークはアリエッタを抱き上げた。両手をルークの肩に置き、嬉しそうにはにかむ少女に、ルークの笑みはますます深まる。
手を取って踊りだしたいぐらいに幸せだ。

(アリエッタが望むなら、世界中の花を捧げたっていい)
いや、世界そのものを捧げてもいい。
アリエッタのためなら、アリエッタが望むなら、何だって叶えてみせる。
──たった一つのことを除いて。

「イオン様にも、見せてあげたかった、です」
「…そうだな」

その願い以外なら、何でも。
ルークはアリエッタに微笑みながら、心のうちで苦痛を抱く。
ゴメンな、アリエッタ。
俺にも、死んだ人間は生き返らせてやれない。

(…でも、もし)
もし、生き返らせることが出来たとしても。
アリエッタの桃色の髪に指を滑らせ、柔らかな頬に口付けを落とす。手放したくないと強く思う。
アリエッタがいればいい。アリエッタさえ、いればいい。

(きっと、俺は)
ゴメンな、アリエッタ。
大好きだよ。
ルークはくすぐったそうに身じろぐアリエッタに、ただただ綺麗な笑みを向けた。


END


***


薔薇(ルクナタ)


私室の扉を開けたナタリアを迎えたのは、薔薇の芳香だった。
若草色の目を見開き、部屋中を埋め尽くす薔薇に吐息する。これは、一体。

「気に入ったか?」

背後から聞こえた声に、振り返らないまま、ナタリアは笑った。なるほど、これは。

「貴方の仕業ですの、ルーク?」
「悪戯みたいな言い方だなぁ」
「お掃除が大変ですもの」
「う、それはその」
「うふふ、冗談ですわ」

くるりと振り向き、ルークの頬に手を伸ばす。淡く朱色に染まったルークの頬のぬくもりにナタリアは目を細めた。頬が自然と緩むのを止められない。

「素敵な贈り物をありがとう、ルーク」
「…ナタリアが喜んでくれたら、それでいい」

にこりと微笑し、ルークの髪のような朱色の薔薇を一輪、手に取る。
確か、これはルークが丹精こめて作り出した薔薇だ。これだけの数まで繁殖させたのは、ひとえにルークの努力の賜物だろう。
そして、それを惜しげもなく、自分へと捧げてくれたルークに、ナタリアの胸が、胸を透くような薔薇の香りとともに満たされた。
愛しさが、溢れそうだった。

「愛していますわ、ルーク」

ただ一人、貴方だけを。
俺も、と笑ったルークに、ナタリアは微笑を浮かべた唇で口付けを送った。


END


***


向日葵(ルクノエ)


自分よりも背の高い黄色の丸い花を見上げるルークにつられ、ノエルは一緒になって向日葵を見上げた。
太陽に向かって精一杯に背を伸ばし、顔を向ける向日葵。太陽に焦がれるその姿に、ふと自分の姿が重なった。
ルークという『光』に焦がれる自分の姿が。

「これってなんていう花なんだ?」
「向日葵って言うんですよ」
「へぇ。…ん?どれも同じ方向に向いてんだな」

五本ほど植えられた向日葵を見比べ、不思議そうに首を傾ぐルークに、ノエルはにこりと笑って、向日葵は太陽へと向くのだと教えた。
ルークがふぅん、と面白そうに頷いた。

「じゃあ、こいつが向く方向には、太陽があるんだな」
「ええ、そうなりますね」

ノエルは穏やかに目を細め、向日葵を見つめるルークを見つめる。
私の向く方向もそうなんですよ、と心の内だけで思う。
私の向く方向にも、『光』があるんです。
──ルークさんという『光』が。掛け替えのない貴方という『光』が。
決して口には出せない想いだ。だって、とノエルはきゅ、と唇を引き結ぶ。
ルークの側には、あの栗色の髪の人が。

「俺と同じだな」
「え?」

ぽつりと落とされたルークの呟きに、ノエルはきょとん、と瞬いた。
ルークが気恥ずかしそうに頬を掻き、だってさ、と照れくさそうに笑う。

「俺の向く方向にも、ノエルって太陽があるからさ」

言葉が出ない。何か言わなければと思うのに、何も出てこない。
胸が詰まる。喉が詰まる。
ルークさん、それって、ねぇ、それってどういう意味、なんですか。期待してもいいんですか?
私は貴方にとって、太陽となり得ているのでしょうか。

「私、も、そうなんです」
「ノエル?」
「私の向く方向にも、ルークさんっていう『光』があるんです」

目を見開くルークに、ノエルは微笑んだ。
太陽を求める向日葵のように、温かな笑みをルークに向ける。
ルークという名の『光』に向ける。

「…ありがとう、ノエル」

嬉しそうにはにかむルークの伸ばされた手に引き寄せられるまま、ノエルは『光』に抱き締められた。


END

 

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