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月齢

女性向けブログ。ネタ語りや小説など。ルーク至上主義。

2025.04.21
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2008.09.20

WEB拍手ログその1

ファブレ家捏造のネタ語りとその一話としてあげてました。
アッシュとガイも捏造。というか、アッシュVSガイ→ルク
インゴベルト王とナタリアは原作のまま。他、女性陣も原作のままのつもりです。ジェイドは常識人。
 

注!ヴァン&女性陣(特にナタリア)厳しめ。


 




アッシュはルークを憎んでいません。コーラル城でルークと会ったときに一目惚れ。以降、ルーク至上主義。
おとなしくヴァンについて行ったのは、ヴァンの目的を探るため。
ファブレ公爵には早々に連絡を取り、ルークのこと、ヴァンのことを報告。
ルークをちゃんと育てないなら、このまま、ダアトに亡命してやると半ば脅しかけてます。
公爵も夫人もヴァンが連れて来たルークが本物のルークではないと早くに気づいたので、アッシュからの連絡を受け、なるほど、と。
何かと政治に口を出してくる預言預言なモースを疎ましく思っていたため、公爵はダアトに不審を抱きます。秘預言のことやヴァンの計画を探るためにも、ヴァンに計画がうまく行っていると思わせようと、公爵はルークを育て始めることに。アッシュの手前もあるし。もし、キムラスカ繁栄の預言が本当ならば、アッシュの代わりにアクゼリュスで死んでもらおうと最初の時点では思ってます。
でも、素直なルークに段々と絆されていく公爵。シュザンヌ様もルークをもう一人の息子として、愛を注いで行ったので、ルークは二人が大好きです。
ヴァンが何とか取り入ろうとしますが、二人は警戒して、最低限の係わり合いしか持たせず、ルークもまたヴァンよりファブレ夫妻に懐きます。
でも、ルークのことに気づかず、約束を思い出してくださいませと繰り返すナタリアは苦手。
ガイはルークに違和感を覚え、薄々、このルークは誘拐される前のルークと違うかもしれないなんて思ってます。そして、絆されていくうちにルーク至上主義二号に。
ルーク可愛いよ、愛しいよなガイ。

いつか帰ってくるアッシュを思い、シュザンヌは、アッシュが幼いころに描かせた肖像画をルークに見せ、アッシュのことを覚えさせてます。ちょっと過剰気味なくらいにアッシュのことをかっこよく語るので、ルークにとってアッシュはヒーロー。
被験者とレプリカという関係ではなく兄と弟というような関係として教え込んだので、ルークはいつかアッシュがダアトから帰ってきたら、兄としていろんなことを教えて欲しいな!とその日を待ちわびてます。
灰の騎士書く前に思いついたはずなのに、このころから兄上アッシュが書きたくて仕方なかった模様。
アッシュはシュザンヌがそんなことをルークに教えているとも知らず、いつかルークに会える日を心の支えにしながらダアトで頑張ってます。長じていくにつれ、シュザンヌや公爵が手紙に書いてくれるルークへと恋情も募っていきます。でもルークはアッシュを兄と思ってるわけで。頑張れ、アッシュ。

アッシュと公爵はヴァンのことを調べるうちに、ホドの生き残りであることを知り、ガイの素性も知ります。
が、公爵は下手にクビにして追い出すよりも、手元に置いておけば動向も探りやすいし、マルクトとの交渉にも使えるな、とクビにしません。
ルークも懐いているし、ガイもルーク心底可愛がって、ルークを蔑んだ目で見るヴァンを遠ざけているのを見て取ったということもありますが。ヴァンの邪魔して、ルークを守ってるんなら、とりあえず見逃しておくか、と。

そして、ヴァンのレプリカ計画と秘預言の全貌をどうにか探り当て報告したアッシュに、帰って来いと連絡が入り、アッシュはバチカルに帰国。以後、公爵たちは消滅預言を回避するために預言脱却を目指します。
が、預言を信望してるインゴベルト王に今言ったところで、信じてもらえない上、自分が政治から取り除かれる恐れがあるため、アクゼリュスまで何も言わないことに。
こっそりピオニーが皇帝となったところで、マルクトと連絡を取り合い、和平の話を秘密裏に進めていってます。アクゼリュスがマルクト領なので和平を隠れ蓑にルークを派遣するためと、戦争預言回避の目的のためです。

バチカルに戻ってきたアッシュは、ルークに再会し、無垢なままであることに感動しつつ、ガイを牽制。ガイもアッシュが本物のルークであると悟り、戸惑いながらも、ホッとします。ルークは公爵の息子じゃない!と。
以後、ヴァンの目的をアッシュから聞き、ルークを犠牲にするなんて冗談じゃねぇとアッシュに協力。でも、ルークのことに関しては恋敵。ルークに見えないところでバチバチ火花飛ばしてる二人。
復讐に関しても、ホドの預言とピオニーの話を聞いて、思い直します。でも、ルークが哀しむことをしたくないというのが一番の理由。ルーク>>>>(越えられない壁)>>>復讐なガイ。

崩落編で終わるかな…。
のんびり拍手で連載していけたらいいな、と思ってました。
一話目としてあげてたのが以下。


■■■


無垢な目だと思った。
自分のそれよりも淡い翠が、朱色の睫毛に縁取られ、自分を見つめている。
静かな、無垢な目だった。
さらりと顔の脇を流れ落ちる、毛先に行くにつれ、金色へとグラデーションを描く朱色の髪も、自分のそれより綺麗だと、そう思った。
同じ顔であるのに、その顔に浮かぶのはあどけなさ。
ことりと首を傾げた顔は、ヴァンが同じだと囁くが、まったく違って見えた。

「これはレプリカ──お前の居場所を奪うモノだ」
「レプリカ…」

まともに座ることも出来ない子どもを見下ろしながら、ルークはこんな透明な人間がいることに、感動を覚えた。


***


あの髭も、大概、爪が甘い。
そんなことを思いながら、濃い赤毛をカツラで隠し、『鮮血のアッシュ』と名高い、神託の盾騎士団特務師団長はケセドニアからバチカルへと向かう船の中、ぽつりと呟いた。

「それとも、俺の演技力を褒めるべきか?」

まあ、どうでもいいけどな。
アッシュは首を振り、ケセドニアで買い求めたリンゴに齧り付いた。公爵子息として雁字搦めになっていた、昔の自分であったら出来なかった行為だ。

六年前にルーク・フォン・ファブレはマルクトによって誘拐された。とされている。
だが事実は違う。ルークを攫ったのは、ヴァン・グランツであり、彼は攫ったルークから情報を抜き取り、レプリカを作り出したのだ。
そのレプリカが、今、『ルーク・フォン・ファブレ』としてファブレ家の屋敷に軟禁されている。そして、本物であるルークはダアトに連れて行かれ、聖なる焔の燃え滓として、『アッシュ』という名を与えられ、めきめきとローレライ教団内で実力をつけていった。
その間、ヴァンに心酔しているという演技を忘れることなく。

「俺を誘拐する前からおかしいとは思ってたが…」

ルーク──アッシュがヴァンにおとなしく攫われたのには、理由があった。ヴァン・グランツの目的と秘預言を探るというものだ。
それは父であるファブレ公爵にも話が通っている。今、家にいるルークがレプリカであることも、彼らと一部の部下たちは知っている。
彼らの身内で知らないのは、王とナタリアくらいだ。母シュザンヌにも最初は知らせまいとしたようだが、あっさりとばれたらしい。
母親を侮ってはいけない。

今、アッシュが乗っている船も、公爵が内密に用意したものである。
ケセドニアにて受け取った手紙と旅券を確かめ、アッシュは簡素なベッドに横たわる。船の揺れが、心地よくアシュの身体を揺する。

(思っていたよりも、簡単だったな)
ヴァンの野望を掴み、悟られぬよう、バチカルへと暗号を使って報告したところ、帰って来い、と公爵より同じく暗号が届いた。
そのために、アッシュはケセドニアに向かう任務を自ら請け負い、アッシュの監視役を兼ねている副官を巻き、この船に乗りこんだ。
アスターの全面協力のもと、キムラスカの領事館を通さず、通常の連絡船に偽名にて乗り込んだ自分の存在を、たとえヴァンであろうと知ることは難しい。しかも、ヴァンは疑いもしていないから、油断しているだろう。自分がヴァンに心底心酔していると。
あの髭は本当に間が抜けている。
あとは寝ていてもバチカルに帰り着くというものだ。もっとも、眠るには気が昂ぶっているのだが。

「…もうすぐ会えるな」

脳裏を過ぎるのは、将来を誓いあった婚約者ではなく(何しろ彼女はコーラル城から連れて行かれたのがレプリカであることに気づきもしないのだ!)無垢な翠眼。
いくら、幼いとはいえ、ナタリアは違和感すら抱かなかったらしい。それどころか、医師から負担になるからと止められたにも関わらず、ルークに約束を思い出せと日々迫っていると聞き、アッシュは失望した。
既に幼いころ抱いていたナタリアへの淡い恋心は消えうせて久しい。

生まれたばかりの赤子のように無垢だったレプリカも、もう六歳──見た目は十六歳だが──になる。
どのように成長したのだろう。無垢なままならいい。

「…早く会いたいものだ…ルーク」

アッシュは楽しげな笑みを零し、来たる再会を待ち望んだ。
港に着いたアッシュを迎えたのは、五人の白光騎士だった。
キムラスカについてしまえば、神託の盾主席総長であろうと、迂闊に手が出せないからと、堂々とした迎えを寄越したらしい。
ファブレの紋章が入った旅券とともに、カツラの下から赤毛を見せ、身分証明とする。
ガシャリと重い鎧の音をさせながら頷いた騎士たちに囲まれ、アッシュは天空客車に乗り込んだ。客車から見下ろす景色は、懐かしいというには記憶がおぼろげでしかなく、苦笑を零す。
公爵子息として簡単にはバチカルすら出歩けなかったのだから、仕方ないのかもしれないが。

(家に帰れば…少しは違うかもな)
もう少し。もう少しで彼に会える。

帰ってきた屋敷の玄関で、ラムダスが寄ってくるのに気づきながら、アッシュはちらりと掛けられた剣を見やった。
宝刀ガルディオス。
この刀の元の所有者のことも、ヴァンのもとにいた時に探り当てている。
ふと、あの金髪の幼馴染はどうなっただろうかと、今頃になって思い至った。どうもあのレプリカのことしか考えていなかったらしい。
誰に思考が読まれたというわけでもないのに気恥ずかしくなり、アッシュは眉間の皺を濃くした。

「お帰りなさいませ、アッシュ様」
「ラムダス、息災か?」
「はい、ありがとうございます。アッシュ様もご無事のご様子、このラムダス、安心致しました」

ぺこりと深く頭を下げる執事を見やりながら、相変わらず躾けが行き届いている執事だと感嘆する。
ルークではなく、アッシュと呼んだのも、公爵からの言いつけが故だろう。

「公爵様はご報告を兼ねて登城しておりますのでもうしばらくお待ち下さい」
「わかった」
「先にお母上に会われますか?」
「そうだな…。…ああ、そうだ。ルークはどこだ?」

平然を装い、鉄面皮で訊ねる。
本当は父の行方なんぞより、ルークの所在の方が気になっているのだが、それを表に出すようなまねはしない。実は会うのを楽しみにしているなどということを悟られるのは、弱みを握られたようで落ち着かなくなるに違いないからだ。

「お庭にいらっしゃいます」
「そうか」

カツラをつけたまま、庭に続くドアへと近寄る。
逸る気持ちを抑えながら、ノブに手を掛ければ、「ガイもおりますが」と声が背中に掛けられた。

「ガイが…?」

思わず、眉をひそめ、ラムダスに振り返る。
頷く執事に冗談を言っているような素振りは見当たらず、アッシュは顎に手を掛け、眉をきつく寄せた。

「…ガイの正体についても報告したはずだが」
「下手に解き放つよりも、近くに置いておいたほうが対処しやすいとのことですが」
「まあ…それも道理か」

だが、何故、ルークとともにいるのだ。ルークに何かあったらどうするつもりなのだと、アッシュは憮然とする。
もしやレプリカだからと軽んじているのだろうか。
だとしたら、ルークを連れ、今すぐ、この屋敷を出て行ってやる、と一人決意する。

「それと、その…」
「…?」

珍しくも言いよどむラムダスに、首を傾ぎ、訝しげな視線を投げる。
ラムダスは躊躇うように声を潜めた。

「ルーク様はガイに懐いておりまして…」
「…なんだと?」
「ガイもどうやら…」

それ以上聞かずに、アッシュは玄関から離れ、庭に出た。
中庭の花壇に座り込む朱色の髪と金色の髪が見えた。

「で、これがゼラニウムな。ペールがこの前、言ってたろ?」
「……」
「何、不機嫌そうな顔してんだよ、ルーク」
「もう花は飽きた…」
「何言ってんだ。奥様にさしあげる花はどれがいいか、って言い出したのはお前だろ」
「そうだけどさー」
「で、次がな」
「あーもー、人の話聞けよ、ガイ!」

ベシ、と小さな手がガイの頭を叩く。
いて、と言いながらも、ガイは笑っている。
アッシュはぷくりと頬を膨らませたルークを見つめ、ちくりと胸が痛んだ。

「…ルーク」

ぽつりとかつての自分の名を呟く。
今ではあの愛しいレプリカの名。
つい、とルークの顔がアッシュに向き、翠の目がゆっくりと見開かれていった。

「…ああ」

思わず、アッシュは吐息していた。
翠の目は変わらずに無垢なままだった。
よかった。お前が無垢なままで。お前のためにも、アッシュとして頑張ってきてよかった。
癖になってしまった眉間の皺を緩め、ルークを見つめる。
同じ顔であるはずなのに、やはりルークの顔は自分よりも幼く見える。
アッシュは感動に打ち震えた。

「…アッシュ?」

そして、ルークが呟いた今の己の名に、息を呑んだ。
アッシュの眉が跳ね上がる。

「な…お前、何故、その名を…!」
「アッシュ!」

ぱっ、とルークが笑みに顔を輝かせ、立ち上がって駆けて来る。
ガイから離れ、側へと寄ってくるルークに、アッシュはただひたすら呆然とした。
呆然としすぎて──飛びついてきたルークを支え損ねた。

「どわ!」
「おわ…っ」

ルークの下敷きになる格好で後ろから倒れこむ。
が、そこは『鮮血のアッシュ』として鍛えてきた実力をもって、アッシュはかろうじて受身を取り、ルークを抱え込んだ。

「ご、ごめん…!」
「いや…かまわん」

眼前でくしゃりと泣きそうに歪められているルークの顔から目を逸らせずに、上半身をわずかに持ち上げ、ルークを腹に乗せたまま頭を横に振る。
自分が同じ顔をしたら、想像するだけでもおぞましいというのに、何故、ルークだと愛しく思えるのだろう。
我ながら阿呆なことを考えていると思いながら、アッシュはルークの頭を撫でた。

「何故、俺の名を知っている…?」
「母上から絵、見せてもらってたんだ!」
「母上から…?」

絵などあっただろうか。そういえば、幼いころに肖像画を描いたような気がする。
だが、何故、それを母上がルークに見せ、あまつさえ、名前を教えたりなどしたのだろう。
そんなこと、手紙には一言も書かれていなかったと思うのだが。

「なあなあ、これカツラだろ?」
「あ?ああ」
「外していい?」

倒れたときの衝撃にも関わらず、留まったままのカツラの毛先を軽く引っ張り、ルークが首を傾ぐ。
ルークの遠い背後でガイが訝しげに眉根をひそめたまま、立ち尽くしているのが見えたが、アッシュは意に介さず、頷いた。
ルークの笑みがさらに深まる。その笑みに見惚れてしまい、思わず、固まっていると、するりとカツラを取られた。
露わになる、カツラを被りやすいよう、項でまとめてある長い深紅の髪。

「…アッシュの髪のが、俺より濃いな」

色を見比べているルークを仰ぎながら、確かになとアッシュは頷いてやる。
ルークの髪も眼も、自分のそれよりも色が薄い。劣化しているからだとヴァンは言っていたが、こんなに綺麗な色が劣化だとは思えない。

「だが、お前の髪の方が…綺麗だ」

左肘で身体を支えながら、右手をルークの髪に伸ばす。
毛先が金色の髪は艶やかで、美しい。この朱色の髪に触れたくて仕方なかった。
一房掴み、口付ける。
ルークが瞠目し、耳まで真っ赤に染め上げた。

「ルーク!」

アッシュの赤毛に固まっていたガイが叫び、駆け寄ってくる。
チッ、と舌打ちし、アッシュはルークを促し、二人揃って立ち上がると、ガイを睨みつけた。

「…久しぶりだな」
「お前は…」

ガイの整った顔に浮かぶ困惑に、不敵な笑みを返す。不思議そうにルークが二人の間で視線を動かしているのに気づくと、アッシュは苦笑を零し、ぽんとルークの肩を軽く叩いた。
残念なことにまったく同じ身長のルークの頭でそれをやるには、アッシュの身長が足りないのである。
一瞬、シークレットブーツでも履こうか、という考えが頭を過ぎったが、それはアッシュの矜持が許さない。
いっそ大腿骨を折り、それが治る反動で骨を伸ばした方がマシだ。

「ま、さか…」

唇を戦慄かせ、顔を蒼ざめさせるガイに、鼻を鳴らす。
何がまさかなのか知ったことではない。

「ガイ…?」

不思議そうにルークの翠眼がぱちぱち瞬く。
そのガイの名を呼んだだけの声に込められた気遣いに、苦く笑う。
なるほど、ラムダスの言うとおり、ずいぶんと懐いたものだ。

「大丈夫か、お前」
「あ、ああ。…大丈夫だ」
「いや、でも、顔青いし」

さらりと横を朱色の髪が過ぎていく。気遣うように、白い手がガイの頬へと伸びる。
向けられた背で揺れている朱金の髪を見るともなしに見つめ、アッシュはそれが自分とほとんど同じ長さであることに気がついた。
身長だけではなく、髪の長さというような些細なところまで似るものなのだろうか、完全同位体というものは。
他人の目には、自分とルークは、色が違うだけのようにしか見えないに違いない。
そのことに、アッシュの心は鉛を飲んだように沈み、憂鬱になる。他人の眼には、レプリカルークは『聖なる焔の光』の身代わりとしてしか見えないに違いない。
レプリカなのだから、当然のことだと、人は言うだろうか。
未来のキムラスカの王である貴方の贄とでも言うだろうか。

──冗談ではない。
ルークは贄などというものではない。アッシュである自分にとって、掛け替えのない存在なのだ。
守って慈しんで教えて愛して。この子どもが、自分にとってすべてだ。

「ルーク」

ガイから引き剥がすように朱色に指を絡めて、名前を呼ぶ。
さらりと髪を靡かせて、ルークが翠をアッシュに向けた。

「母上に挨拶をしたいんだが…ついてきてくれるか?」
「え、あ、う、うん。でも…」

ちらちらとルークが見やるのはガイだ。
そのガイと言えば、青い顔をしたまま、呆けているだけなのだけれど。

「ガイなら大丈夫だろう。ただ状況が判断出来ていないだけだ。一人で考えさせてやった方がいい」

ルークに向けて、ルークが安心するよう微笑する。
母上に何を言われたのか知らないが、懐いてくれるのならばそれに越したことはない。

(だが、本当に母上は何を…)
絵といい、アッシュという名を知っていたことといい、母シュザンヌはルークに何を話したのだろうか。
予想がつかないことに寒気すら覚え、アッシュはぶるりと身体を震わせた。


END


ちょっと続きを書くかどうか悩み中。
書くとしても、崩落編で終わるかと。

 

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