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月齢

女性向けブログ。ネタ語りや小説など。ルーク至上主義。

2025.04.21
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2008.06.01

ss

書いてるうちに日付変わってるし…。まあ、いいか。
スレルクアリ。ライガクイーンイベントです。
アリエッタとアリエッタの家族以外、どうでもいいスレルク。
ティアが死んでます。というか、「世界を美しいものと知る」と末路が被ってます(オイ)
微グロとなってますので、苦手な方はご注意下さい。あっさりと流してはいますが。
イオンにも厳しいです。

注!同行者厳しめ(ティア&イオン)




「お下がりください、導師イオン!こうなったら…きゃあ?!」

そこまで声高々に叫んだところで、ドカッ、とティアは蹴り飛ばされた。ティアの身体は、あっさりとライガクイーンの方へと転がった。
呆気に取られるイオンの横に立ったフードを被ったルークが、腕を組み、呆れを隠すことなく吐息した。

「な、何するの…!」
「何するの、じゃねぇよ、馬鹿女。黙って聞いてりゃ、あれのどこが交渉だっつーの。なぁ、クソガキ。俺はてめぇにも言ってんだぜ」
「イオン様に向かってなんて口の利き方を…!」

激昂し、クイーンに向けていたナイフを自分へと突きつけてきたティアをせせら笑う。クイーンへとちらりと視線を向ければ、殺気を収めたクイーンが、緩く頭をもたげ、鼻を鳴らした。動くのならば、さっさと動けとでも言わんばかりのクイーンに苦笑する。

「クソガキはクソガキだろ。交渉のこの字も知らねぇんなら、魔物の問題に頭を突っ込むんじゃねぇよ、イオン」
「ぼ、僕は…チーグルとエンゲーブの人たちを思って…ッ」
「そうよ、ルーク!イオン様のお優しさがわからないの?!」
「ああ、わかりたくもねぇな。代替案の一つも出さず、ただ出て行け、なんて、ライガにはちっとも優しくねぇじゃねぇか。片一方にだけ優しくしてりゃいいって?ハッ、その一方が加害者なのにか。どこが優しいんだっつーの」
「言ったでしょう?!ライガの子どもは人の肉を好むって!エンゲーブの人たちが危ないのよっ」
「だから、ここで殺すって?なら、始めからチーグルにそう言ってやれよ。私がライガクイーンも子どもも卵のうちに殺してあげるわーってよ」

イオンの顔から血の気が引き、ティアの顔に血が上らせ、ミュウがそんな二人に軽蔑の目を向けるのをつまらなそうに見やり、ルークはゆっくりとクイーンへと足を進めた。クイーンが目を細め、その巨躯をゆったりと横たえる。すべて、自分に任せてくれるようだ。
フードを背に落とし、にこりとクイーンに任せてくれ、と笑みかける。ティアが待ちなさい!と手を伸ばしてくるのを、ふっ、と唇の端を吊り上げ、ルークは一瞥した。

「……え?」

ティアの手は、ルークへと届く前に、ルークの超振動によって霧散した。肘から先が、綺麗に掻き消えている。
丸い切り口から、真っ赤な肉と白い骨が覗いた。鮮やかな切り口からは、血も流れてこない。

「きゃああああぁあ?!」

耳障りな甲高い悲鳴にルークは眉根を寄せ、手を伸ばし、ティアの喉を掴んだ。暴れるティアのすべての四肢を消す。ぐるりと目を回し、ティアは気を失った。
ティアに、もう二度と目覚める機会はない。ルークは、与えるつもりもなかった。

「イオン、お前は殺すとあとが面倒だし…一応、あいつのレプリカだからな。殺さないでおいてやるよ。やっぱ親友に顔だけでもそっくりな奴、殺すのは、俺でも後味悪いしな」

うわべだけは優しい微笑を、イオンに向ける。どうして、とうわ言のように呟きながら、イオンはガタガタと震え、音叉の杖をきつくきつく握っている。怖がらせすぎたらしい。ライガの女王に約束も何もない謁見を申し出た時点で、血が流れることは覚悟しておくべきだろうに。

(ま、さすがにこれはやりすぎだったか?)
クイーンでさえも呆れ返った目を向けてきている。苦笑い、ルークはクイーンの前にティアの身体をそっと捧げた。

「どうぞ、義母上。柔らかな肉ですよ」

恭しく、頭を下げる。ふん、と鼻から息を吐き、クイーンがティアへと舌を伸ばし、ぺろりと一口で口に収めた。
軍人とは思えぬほど、筋肉が薄い女の身体はルークの読みどおり、程よい柔らかさだったらしく、クイーンはご満悦の態で舌でぺろりと口に付いた血を舐めている。女の傲慢な物言いや態度に、ここまで耐えてきた甲斐もあるというものだ。ルークも嬉しそうに笑った。

「義母、上…?」
「ルークさんはライガクイーンさんとお知り合いですの…?」

イオンとミュウの問いかけに、ルークは二人へと向き直り、頷いた。イオンはやはり何も知らないらしい。被験者の真似をさせたいのならば、被験者の癖や周囲の環境、親しい者たちのことくらい、徹底的に教え込むべきだろうに。本当、救いようがない馬鹿どもだ、とルークはヴァンとモースに呆れた。

「ライガクイーンには、人間の娘がいるんだが、知らないのか?」
「あ…アリ、エッタ」
「そう、俺の可愛い可愛いアリエッタ。愛しいアリエッタは俺の未来の花嫁なんだよ、レプリカイオン」
「どうし、て…」
「俺がお前がレプリカってことを知ってるかって?死んじまった被験者イオンは俺の親友だったからな。親友の違いぐらい、気づくさ」

もっとも、気づかない親友もどきと婚約者殿も世の中にはいるが。
ルークはそれっきり、イオンとミュウに興味を失くし、ライガクイーンへと再び向いた。奥の卵を窺う。もうすぐ卵の殻にヒビが入り、アリエッタの兄弟たちが生まれてくる。

「たっくさん、遊ぼうな」

お前たちのために、人の肉も持ってこよう。
アリエッタを傷つけ、利用する者たちを片っ端から片付るつもりのルークは、一石二鳥だと楽しげに笑った。


END

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