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月齢

女性向けブログ。ネタ語りや小説など。ルーク至上主義。

2025.04.21
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2009.08.04
取り置き受付け開始前に、推敲がまだ残ってる箇所もあるのですが、とりあえず、書きあがったので、夏コミ新刊ルクアリ本の詳細をば。

rukuari.jpg









A5/P.28/FCコピー/¥300
ルーク×アリエッタ(スレルク)
※特殊紙に刷るので、若干、色味は異なります。

注!同行者厳しめ要素あり
被験者イオン、チーグル族に特に厳しめです。
被験者全般にも厳しめ。
つづきに本文のサンプルを載せておきます。
(推敲後に差替えするかもですが)




太陽の光がそっと柔らかく差し込む裏庭は、相変わらず人気がなく、静かだった。
踏み込まれた様子のない裏庭に、アリエッタはゆるりと安堵の息を吐いた。
ライガの背から降り、ぺたりと生い茂る雑草の上に腰を下ろす。ライガもまた腰を落とし、丸くなった。
草と土の匂いが、アリエッタの鼻腔を擽った。さらりと吹いていく乾いた風が、心地いい。
これを一緒に楽しむ人が、イオンが、ここにいてくれたならば。
イオンが側にいない今、この心地よさも、ただただ空しい。
 
ぽたり。草の上に、こけた頬を滑り落ちた涙が滴った。桃色の髪と同じ色の睫毛を瞬かせ、アリエッタはほろほろと静かに涙を零す。
アリエッタの脳裏に、教団に連れて来られたばかりのころ、ママを恋しがって泣いていた、幼い自分の姿が過ぎる。あのとき、涙を拭いてくれた、イオンの優しい手。あの手は、どこに行ってしまったのか。
この涙を拭いてくれる人は、もう。

「──こんにちは」
 
唐突に鼓膜を揺すった声に、アリエッタの肩がびくりと跳ねた。
ぬいぐるみの中に忍ばせてあるナイフを、そろりと握る。
気配は、なかった。確かに、今の自分は体力も衰えているが、周囲への警戒を怠ってはいなかった。周囲を伺うのは、もはや癖のように身に染み付いている習性だからだ。
ちらりと、アリエッタは隣のライガを見やる。ライガの瞳にも、警戒の色が過ぎる。
──が、それは何故かすぐに霧散してしまった。呆気に取られ、え、と小さく唇から声が漏れる。

困惑しながらも、こくりと唾を飲みこみ、アリエッタは恐る恐る、振り返った。
そこには、毛先が金色に染まる朱色の髪を靡かせた少年が一人、にこりと笑みを浮かべて立っていた。

(ア、…ッシュ? …ううん、違う、です)
特務師団長として配属された同僚と、その少年は、驚くほどによく似ていた。けれど、浮かんでいる笑みや、身に纏う空気はあまりに違っている。
まるで、自分のイオンと今のイオンのようだと、アリエッタは唸る。
容姿は同一人物のように瓜二つであるのに、心の在り様が、違う。それが、緩やかに細められた翡翠の目から、伝わってきた。

「こんにちは、アリエッタ」
「…誰、ですか?」
「あれ、アッシュと間違えないんだ? 試しに他の奴に話しかけたら、アッシュ師団長、なんて敬礼されたのに」
 
くすくすと愉快そうに、少年が笑う。アリエッタは少年を睨み、身構えた。背筋を薄ら寒いものが、走る。
けれど、少年は鋭く煌めくナイフを見ても、無邪気に微笑むばかりで、警戒する様子を微塵も見せない。
アリエッタの緋色の瞳が、戸惑いに揺れる。

「すごいな、アリエッタ。ローレライの言うとおりだ」
「ロー…レライ…?」

嬉しそうに手を叩いて笑う少年が口にした、第七音素集合体の名に、アリエッタは訝しげに眉を寄せた。
何故、ここでローレライの名が出てくるのだろう。
きろりと睨めば、少年の周囲に音素が舞った。七色に煌めく音素が。

「……ッ」

息を呑み、たじろぐ。ライガがその光を敬うように、深く頭を垂れた。
この子は知っているのだと、アリエッタは気づいた。
この子は、この光が何かを知っている。

「大丈夫だよ、ローレライ。アリエッタは俺に危害を加えたりなんてしないよ。隣のライガも、それを許さないだろうし」
 
にこり、と邪気のない笑みと、頭を垂れたままのライガに嘆息し、アリエッタは毒気を抜かれ、ナイフを戻した。
少年からは、敵意を感じない。彼を取り巻く音素は、自分を警戒しているようであるけれど。
この少年が何者であるかは、まだわからない。
得体の知れない相手であるのは確かだから、油断は出来ないが、ナイフを向けたところで、勝ち目があるとも思えなかった。

「…あなたは、誰、ですか」

少年が笑みを深め、唇を開いた。


P.6~P.8より抜粋


■イオンがすり替わっていることに気づいてしまったアリエッタと、そんなアリエッタだからこそ、求めるルークの話。
ルークはローレライの加護を受けて、音素コントロール能力に長けてます。
ダアト、チーグル族、ティアやジェイドに厳しめ。
キムラスカ側にも厳しめですが、空気です。

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